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能楽案内人

彼は能楽師の家に生まれたわけではなく、たまたま物心つく前に能楽に出会った。
小児喘息を患っていてほとんど運動をすることができなかった子どもにとって、
能は唯一自己肯定感を満たしてくれるものだったという。

大学在学中に能楽師を志し、卒業後は寝ても覚めても稽古漬けの日々を送った。
現在では国内外の公演に駆け回る期待の若手能楽師である。

彼が能楽を普及する活動を始めた頃、大学生の体験講座の感想文に衝撃を受ける。
高尚、難解、退屈、無関心。20歳前後の若者の素直な気持ちだった。
能はあまりにも現代社会から遠い。その現実をはっきりと認識した。

彼は語る。「私自身子どものころから『能で遊んで』いたように、
どなたでも能を通じて『楽しい』という経験をしていただきたいと思うのです。」

彼は能楽の世界に人々を誘うナビゲーターとして、積極的に新しい企画をプロデュースしている。
気負わず、親しみやすく、わかりやすく。
一般の家庭から能の世界に深く誘い込まれた彼だからこそできる道案内である。

 

能楽は歴史、文学、美術、声楽、身体技法と様々な切り口がある。

舞台を観ることも、稽古して演ずることも、老若男女、国内外の誰でも楽しめる芸能である。
そして、教養や趣味として楽しむだけでなく、ビジネスシーンでも応用ができる懐の深さがある。

「守るべき伝統はしっかり守り、これまで誰も考えなかったような斬新な手法を日々考えて、
みなさまに能楽の世界をご案内します。」

金春流能楽師 中村昌弘氏

【中村 昌弘】1978年、東京生まれ。中央大学法学部法律学科卒。79世宗家金春信高、高橋万紗、髙橋忍に師事。
(公社)能楽協会会員、(公社)金春円満井会理事、音楽の街-狛江・エコルマ企画委員、狛江能楽普及会代表、狛江青年会議所第37代理事長。

 

能を趣味としていた母の影響で、2歳より稽古を始める。6歳「桜川」子方にて初舞台、23歳「花月」にて初シテ(主演)。現在までに「石橋」「乱」「道成寺」を披く。

 

東京を中心に日本全国での公演のほか、都内及び神奈川県に稽古場を持つ。海外公演(ロサンゼルス・ジャパンエキスポ、ドイツ、カナダ巡業公演)にも参加。2015年より単独公演会「金春流能楽師中村昌弘の会」を開始。

 

保育園から大学まで、さらに社会人向けに能楽紹介講座を多数プロデュース。能楽界でまれな流儀を横断した公開講座を継続的に開催。能楽と古武術や文学座俳優、雅楽、和楽器、二胡奏者とのコラボレーション企画も好評。能楽堂以外で、古民家や寺院、ギャラリー、カフェなどでも実施。

地元狛江市では、2009年に若手能楽師による狛江能楽普及会を立ち上げ、普及講座を毎年開催。狛江市主催のイベントにも積極的に協力。2010年に文化庁の事業である和泉小学校伝統文化子供教室をきっかけに、伊豆美神社にて狛江能楽教室を開講。幼稚園生から高校生までのべ約30名が稽古。